上田市の上田商工会議所と信州大繊維学部、市内の紬(つむぎ)業者でつくる上田紬活性化支援事業実行委員会が上田紬活性化支援事業「カイコと繭と紬のまち」で計画、2011年9月に発足。信大繊維学部の施設、桑畑、技術指導のもとで蚕を育て、地元産の生糸で上田紬を仕立て、「蚕都(さんと)上田」の復活をめざす。
上田地域は千曲川沿いの強い風と乾燥した気候に助けられ、桑に害虫が付きにくく桑栽培に適していたため江戸時代から養蚕が盛んにおこなわれ、その絹糸をつかった紬業者も市内に多く存在していた。しかし昭和40年代後半から徐々に海外産にシェアをうばわれ、現在は上田市内に養蚕農家はなくなり紬生産に使われる、絹糸の多くを中国やブラジルなどからの輸入に頼っている。
本事業は、上田市内の蚕種会社から6万匹の蚕を仕入れ、信州大学繊維学部の施設で飼育。公募された市民が大学教員の指導を受けながら参加。同大繊維学部内の研究用の畑にある桑約1500本の葉を蚕に与えたり、蚕のふんや食べ残した葉の掃除に携わって蚕の生育を助ける。